払込み・償還と利払いとが異なる通貨で行われる債券を逆デュアル・カレンシー債といいます。エグゼクティブディーリングによると、たとえば、払込み・償還は円で、利払いのみドルで行われる債券です。
この場合は、投資家は利息について為替リスクを負います。
ネット銀行には銀行以外の業種からの参入もあります。エグゼクティブディーリングによると、ソニーなどが設立したソニー銀行、イトーヨーカ堂などが設立したアイワイバンク銀行、伊藤忠商事などが設立したイーバンク銀行などです。
そのほかに都市銀行のインターネット支店などの形で営業しているところもあります。
インターネット上で金融取引ができるネット銀行が設立され、取引が開始されました。エグゼクティブディーリングによると、ネット銀行は店舗を持たず、インターネット上で預金、ローン、振込みなどのサービスを提供する銀行です。
店舗コストが不要で、人件費も少なくてすむため、24時間営業しても預金やローンの金利がよく、振込手数料なども安いとされています。エグゼクティブディーリングによると、日本では2000年10月に三井住友銀行などが開業したジャパンネット銀行が第1号で、インターネット端末のほかに三井住友銀行やコンビニのATMとも接続されています。
資本市場もベンチャー企業が資金調達をしやすいように体制が整備されつつあります。エグゼクティブディーリングによると、1999年には東京証券取引所にベンチャー企業を対象とした新市場「マザーズ」が、さらに2000年には大阪証券取引所に「ナスダック・ジャパン」が開設され、ともにベンチャー企業を上場して資金調達の支援を行っています。
こうした市場は、設立後日の浅い企業や赤字の企業にも、市場からの資金調達を可能にします。エグゼクティブディーリングによると、上場のための審査期間を短くしたり、審査基準も緩和されていますが、一方で業績開示の頻度を高めるなどの対策もとられています。
ベンチャー・キャピタルは投資や貸付けの時点ではリスクを背負いますが、投資企業が株式公開にこぎつければ、株式を売却し、キャピタル・ゲインを得ることができます。エグゼクティブディーリングによると、こうした投資会社は主として銀行、証券、生命・損害保険などの子会社として設立されています。
ベンチャー企業は独自の専門的技術やノウハウを持ち、創造的で将来性のある新興企業といわれますが、業務の経歴が浅く、担保なども十分でないケースが多いため、資金調達は容易ではありません。エグゼクティブディーリングによると、一般の銀行が通常の融資を行う対象とはなりづらいといえます。
しかし、こうした企業のなかから、将来の新しい産業を担う企業が生まれてくる可能性も少なくありません。エグゼクティブディーリングによると、こうした企業に株式取得などの形で投資をしたり、貸付けを行って、将来性のある企業を育てていこうとするのが、ベンチャー・キャピタル(VC,Venture Capital)です。
需給の均衡が供給増、または需要減という見通しとなれば、マーケットは弱含み下げトレンドになります。
かといって、相場は一本調子に下げるわけではありません。エグゼクティブディーリングによると、上下を繰り返しながら徐々に下げるのです。
需給関係は刻一刻、毎日変わるわけではないからです。
一九八五年のプラザ合意までの円高、つまりドル下げのトレンドを見ると、市場のメカニズムがよくわかります。
七八年の一〇月に一ドル一七五円五〇銭まで下ったドルは、それから持ち直して二七八円まで戻しました。
そしてまた下がり二三五円を中心にプラザ合意まで五年くらいもみあいました。エグゼクティブディーリングによると、相場のトレンドというのは、こうした動きを示すものなのです。
為替がフロート制になって、経済のファンダメンタルズが、多少のタイムラグはあるものの、為替相場に反映するようになったということでもあります。
この件について、ついでに話しておきますと、プラザ合意の発表があったとき、これは相場とはいえないーと直観しました。エグゼクティブディーリングによると、これはフロート制が経済を反映すべきという目的に対応していない、市場が成熟していないための政治的判断である、ドルの強制切り下げだと思ったのです。
東証社長西室泰三氏――証取世界再編へ上場決断
2006/09/07
提携先、幅広く検討
売買単位、1種類が理想
東京証券取引所の西室泰三社長は六日、日経金融新聞のインタビューに応じた。証取の国際的な合従連衡が進むなか、西室氏は「競争力を高めて再編を主導するためにも株式の上場が不可欠」との認識を示した。デリバティブ(金融派生商品)など品ぞろえの強化を視野に、米NYSEグループ以外にも幅広く提携先を求める。現在、七種類ある売買単位については一つに統合したいとの考えを明らかにした。
――二〇〇九年をメドに上場を目指しています。東証が上場する意義はどこにありますか。
「ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEグループが三月に上場する前後から欧米の証取で合従連衡が加速した。上場していない東証は、現在の時価総額すら分からない。いまの株主構成のままでは国際的に連携したり、株式の持ち合いをするのも難しい」
「取引所間の競争はさらに激しくなる。焦点のひとつがシステム増強で、いざという時の資金調達の手段を確保しておく必要がある。商品の広さと深さも欠かせない。提携により先物などのデリバティブを強化する」
「東証はまだ世界で戦う陣立てができていない。二〇〇九年までに世界最高水準のシステムを整備するなど将来に向けて力を付ける。従業員の能力向上も重要だ。早く見取り図を示し、上場計画への理解を求めたい」
――上場すれば買収されるリスクがあります。防衛策は必要ありませんか。
「金融商品取引法では五〇%超の株式保有は禁止され、一方的に全株を買い取られるようなことはない。二〇%以上の株式も取引所の持ち株会社などを除き、保有できない。我々はその範囲で大量に保有されないように企業価値を上げる」
「心配だからといって安易に防衛策を導入するのは上場企業を指導する立場からも難しい。一九・九%まで保有される可能性はあるが、逆に東証が海外証取を買収する可能性だってある。こちらだけ外堀を埋めておく訳にはいかない」
――連携する相手はNYSEグループが軸となりますか。
「NYSEと東証は、デリバティブに弱いという共通の悩みがある。先月新設した駐米代表は、NYSEだけでなく米ナスダック・ストック・マーケットやシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)なども含めて幅広く情報収集したり交渉に当たる」
「東証がデリバティブなどをすべて自前で開発するには限界がある。だからユーロネクストやCMEなどにも目配りする。金融商取法でデリバティブ商品を柔軟に上場できるようになったのに、体制が整わなければ利用者に申し訳ない」
――株式の売買単位が七種類もあるのは世界でも異例です。統合は進みそうですか。
「差し当たって一度の売買で必要な投資額の下限を五万円に設定した。それを踏まえ、できれば売買単位をひとつに絞りたい。目指すタイミングは株券がペーパーレス化される二〇〇九年一月しかない。日本経団連は売買単位を見直すと株券印刷などのコストがかかると指摘するが、株券がなくなれば、反対理由もなくなる。上場企業や監督官庁などを巻き込み、来年中には方向性を示したい。理想は一種類に統一することだ」
【表】東証改革の主な取り組みと今後の予定
2005年11月 東証、大規模システム障害
12月 みずほ証券、ジェイコム株の誤発注
鶴島社長が退任、西室会長が社長兼務
2006年1月 東証、件数急増で取引全面停止
CIOにNTTデータの鈴木氏を選任
2月 与謝野金融相の私的研究会、「証券取引所のあり方等に関する有識者懇談会」初会合
3月 上場制度見直しの「ディスカッション・ペーパー」を公表
6月 西室社長、会長職を退任
取引所のガバナンスなどを定めた金融商品取引法が国会で成立
NYSEグループとユーロネクスト、経営統合で合意
2007年夏 東証、持ち株会社に移行へ
2009年メド 自市場への上場
次期システムが稼働
次期システムがカギ
東京証券取引所は一度は凍結した上場計画を復活させ、目標時期を二〇〇九年に設定した。成功のカギを握るのは「世界最高水準を目指す」(西室泰三社長)という次期システムの開発だ。本格稼働まであと三年。残された時間は決して長くない。
委員会設置会社に移行して二〇〇五年度中に上場したい――。昨年秋まで、上場は東証の最大の経営目標だった。念願を果たすため、外部の専門家を招き上場にふさわしい組織のあり方を念入りに話し合っていた。だが、十一月に大規模なシステム障害に見舞われ、十二月にみずほ証券の誤発注で再び混乱を招くと、計画の凍結を余儀なくされた。
昨年末に急きょ登板した西室社長の課題はシステムの立て直し。初仕事が最高情報責任者(CIO)の人選だったのも自然な成り行きだった。
それから半年後の今年六月末、西室社長は「二〇〇九年をメドに上場したい」と表明した。凍結解除の背景には、次期システムの〇九年稼働が視野に入ってきたことがある。
ネット証券による私設取引システム(PTS)の本格稼働が計画されるなど、システムの優劣が世界の取引所の生命線となっている。東証が描く新システムは概要を固めた段階で、実質的な作業が本格化するのはこれからだ。ある関係者は「〇九年まで設計、開発プロセスが詰まっており、厳しいスケジュールだ」と指摘する。
八月下旬から受け付けを始めた開発コンペの締め切りは今月八日。資本市場の中核である東証システムの受注はベンダーにとって誇りとなるプロジェクトだけに「国内外の有力企業が十社以上応募している」(東証幹部)という。
注文の処理速度や安定性で世界の主要証取に勝るシステムを構築し、グローバルな合従連衡の動きに加わることができるかどうか。西室社長の手腕が問われている。
東証、東アジアと提携強化 台湾取引所と覚書締結
2006/08/26
東京証券取引所が、東アジアの証券取引所との提携強化を進めている。7月以降、韓国、深セン、上海各取引所と相次いで協議を始めたほか、25日には台湾取引所と覚書を結んだ。欧米間など国境を超えた証券取引所の大再編では取り残されているものの、まずは東アジアでの存在感を高めようという狙いだ。ただ、成長が見込まれるアジア市場には、欧米勢も積極攻勢をかけており、東証の努力がどこまで実を結ぶのかは不透明だ。
台湾取引所と結んだ覚書は、両取引所の宣伝や上場企業の投資家向け広報活動の支援などが柱。将来は双方の上場株の売買が互いに自由にできるようにするのが目標だ。東証は今秋、北京に駐在員拠点を設けるほか、東アジアの取引所が一堂に会する協議会も開いて連携の幅を広げる考えだ。
東証は今春まとめた中期経営計画で「アジアにおける地位確立」を掲げた。背景には「欧米で巨大取引所ができる中で、近隣とは仲良くすべきだという危機感」(西室泰三社長)がある。
今年に入り、米ニューヨーク証券取引所が欧州のユーロネクストと経営統合で合意したほか、米ナスダック市場が英ロンドン証券取引所の筆頭株主になるなど、欧米では取引所の再編が一気に加速。巨額なシステム開発費の効率化など利点も多く、アジアの取引所も例外ではない。
これに対し東証は、東証自体の株がまだ上場できていないため、各取引所と戦略的な資本提携ができず、手段も限られている。計画していた上場時期も、大規模なシステム障害のあおりで09年にずれこんだ。
上場する外国企業数は26社とピーク時の約5分の1まで減った。中国、韓国の企業の上場はともに1社で、台湾はゼロ。東証を飛び越えて欧米の取引所で上場する企業も増えるなど、国際市場での存在感が低下している。
◆東京証券取引所のアジア戦略
【中国】
深セン証券取引所 業務提携協議(8/7)
上海証券取引所 業務提携協議(8/22)
北京 拠点開設 (今秋予定)
【韓国】
釜山 韓国証券取引所 市場間連携(7/7)
【台湾】
台北 台湾証券取引所 市場間連携(8/25)
[変わるか東証]西室泰三社長インタビュー 上場・提携で競争力確保
2006/08/24
東京証券取引所の西室泰三社長に、東証の戦略や、今後の課題を聞いた。
――東証が自らの株の上場を急ぐ理由は。
「世界の取引所は、取引の量と扱う商品の種類を、いかに早く、安く、効率的に増やせるか競争を続けている。上場して資金調達を容易にしておかないと、継続的なシステム増強競争には勝てない」
――競争の一方で、外国の証取と提携する理由は。
「提携とは、お互いの縄張りを明確にする一種の休戦協定だ。相手に『東証はアジアでは強い』と思わせる競争力を保ち、世界の主要取引所と提携関係をつくれなければ、東証は一地域の小さな取引所に落ちぶれてしまう。適度の株を持ち合うことは、取引所の信頼向上にもなる。世界の取引所との合従連衡に本格的に参加するためにも、上場で東証株の市場価値を決める必要がある。勝負はこの3年で、よほど頑張らなければならない」
「ニューヨーク証券取引所(NYSE)・ユーロネクスト連合と組むのが最もバリュー(価値)が高い。ただ、欧米のような経営統合は考えない。株の持ち合いも、あくまで相手の要請による。日本経済の基幹インフラとして、何らかの買収防衛策は必要だ。NYSEのように、定款で何らかの保有規制を設けることになるだろう」
――来年4月に「三角合併」が解禁され、外国株と日本株の株式交換が増える。どう対応するか。
「正体がよくわからない外国株との株式交換を可能にしていいのか疑問に思う。三角合併を考えている外国企業は、日本の株式市場に上場するという規則を設けるべきだ。そうすれば情報が十分に開示され、上場審査もクリアした外国企業の株が、すぐに(市場を通して)換金できる」
――夜間取引に参入する考えは。
「ネット証券各社はPTS(私設取引システム)を使った夜間取引を始める。だが、委託手数料はそう安くならないだろう。やろうと思えばいつでもできるが、今はその計画はない」
〈三角合併〉 日本企業の買収をねらう外国企業が、日本の子会社を通じて自社株と日本企業の株式を交換する買収手法。日本企業の株主は株式交換で外国企業の株を手にするが、東証に上場していなければ簡単に売却できず、株の価値も見分けにくい。
欧米が仕掛ける世界の取引所再編 出遅れた東証の「次の一手」
2006/08/19
ニューヨーク証券取引所とユーロネクスト(本部・パリ)が大西洋を跨いだ合併に合意するなど、欧米の証券取引所の再編が真っ盛りである。ロンドン証券取引所の奪い合いなど、欧米の再編劇はさらに二幕、三幕がありそうだ。そして、次の舞台はアジアである。まだ株式公開すら果たしていない東京証券取引所はどうするのか。
ドイツでサッカーW杯の決勝戦が行なわれた七月九日。ベルリンの決勝戦会場から約四二〇キロメートル離れた金融都市フランクフルトに、東京証券取引所の西室泰三社長の姿があった。訪独の目的はW杯ではなく、ドイツ取引所のレト・フランチョーニCEOとの面談だ。
「うちのシステムは世界で最も優れている。東証も使わないか」
フランチョーニCEOからはこんな申し出があったようだ。システムの共通化は将来の経営統合と直結する。ドイツ取引所は東証へ秋波を送っているのだ。
翌一〇日、ロンドンに飛んだ西室社長は、ロンドン証券取引所(LSE)のクララ・ファースCEOと会談。翌日に株主総会を控えていたファースCEOだが、一時間超を西室社長との面談に充てた。さらにその夜はユーロネクストのジャン・フランソワ・テオドールCEOと会食。テオドールCEOは西室社長に会うため、ニューヨークからパリへの帰途、わざわざロンドンに立ち寄ったという。
取引所再編のキーパーソンたちと個別に会った西室社長の目的は、当然手を組む相手を見極めるという点にあろう。だが、現時点で株式上場すらしていない東証にとって、それはまだ先の話でもある。「今は未上場なので資本関係を含むような関係は築けないが、情報交換より踏み込んで提携関係の話をした」(西室社長)。三年後に株式公開を予定している東証にとって、欧米の取引所との関係強化は未来への布石である。では、東証はどこと組むべきなのか。そもそもなぜ今、世界の取引所が再編に動いているのか。
時価でドイツに負けたロンドン、ニューヨーク
国際的な取引所再編のきっかけはEU統合である。ユーザーである投資家にとって、国別の小さな取引所に分かれていては使い勝手が悪い。こうして、パリ、ブリュッセル、アムステルダムの三取引所が中心となってユーロネクストが生まれ、大陸欧州の金融センターを自任するドイツ取引所(フランクフルト取引所などを運営)、シティの投資家を抱えるLSEとの三つ巴で、欧州の金融センターの地位を奪い合う戦いが始まった。奇しくもこの三社が〇一年に同時に株式公開したことで、各取引所の株主である機関投資家をも巻き込んで再編劇が加速することになった。
一方、現物株取引で圧倒的な市場規模を誇るニューヨーク証券取引所(NYSE)にはもともと、ほかの取引所と手を組む必要性はなく、国内外の優良銘柄が自然に集まってくる市場であった。ところが新興市場のナスダックや急速に勢力を伸ばす電子証券取引所に銘柄を奪われ、さらにエンロンなどの不祥事をきっかけにした規制強化(米国上場企業への厳格な情報開示を義務づけるサーベンス・オクスレー法など)により、外国企業が米国から欧州――相対的に規制が緩い――に上場市場を移すようになってきた。こうした動きに危機感を抱いたNYSEは〇四年、ゴールドマン・サックスの社長兼COOだったジョン・セイン氏をCEOに迎え、積極的な再編策を通して生まれ変わりを図っている。〇五年には大手電子証券取引所のアーキペラゴを買収し、さらに最大のライバルであるナスダックがLSEの株式の二五%超を握るやいなや、ドイツ取引所との大合併に傾いていたユーロネクストを強引に奪い、合併合意に至ったのはついこの六月のことである。
その直前の〇六年三月には、欧州の主要取引所から六年遅れでNYSEグループは自社の株式を上場している。時価総額は一〇〇億ドルを超えたものの、関係者はこの結果にショックを受けたという。ドイツ取引所の時価総額にはるかに及ばなかったからだ。
証券取引所の規模は、その市場に株式を上場している全企業の時価総額、「上場銘柄時価総額」で見るのが一般的だ。この指標で見れば、NYSEは断トツで世界一の取引所である。一方、東証を除く世界の主要取引所はすべて自社の株式を公開しており、その取引所自身の時価総額(図では円柱の高さ)は、その取引所の収益性や将来性に対するマーケットの評価ということができる。
すなわちNYSEは、取引所の規模で一〇分の一にすぎないドイツ取引所よりも、将来性が低いと判断されたのだ。なぜか。
NYSEをはじめ、東証、LSEなど伝統的な取引所は、主に現物株を主要な取引銘柄とし、収益の多くを現物株の売買手数料から得ている。ところが世界的な競争と電子化により、手数料率は確実に低下傾向にある。
一方、ドイツ取引所やユーロネクストの場合、現物株の売買手数料は収益の二割程度にすぎない。彼らは金融先物やオプションといったデリバティブ取引の手数料や、決済・清算業務で収益の大半を得ているのだ。ドイツ取引所はじつに収益の七〇%を、デリバティブ取引に特化した子会社と、決済・清算子会社から得ている。またユーロネクストの最大の収益源は、三五%を占めるデリバティブ手数料である。投資家は、手数料率が低下傾向にある現物株よりも、こうした周辺業務に将来性を見ているのだ。取引所の時価総額はそのままバイイングパワーにつながる。時価総額が低ければ、ほかの取引所の傘下に入るしか道はない。
そうなると今最も苦しいのはLSEだ。デリバティブを扱うロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)をユーロネクストに奪われ、英国の証券決済機関はフランスの同様の機関に買収された。つまり将来性という観点からは手足をもがれた状態にあり、株価(時価総額)も当然低くなる。伝統的な現物株取引の大市場の地位にあぐらをかいていた結果、規模では三分の一にも満たないOMX(本部・ストックホルム)にすら買収を申し込まれるなど、完全に再編劇では後手に回ってしまった。
現在、LSEはナスダックから買収提案を受け、これを拒否。その後株式の二五・一%を握られた状態にある。新興勢力であるナスダック傘下に入るには強い抵抗感があるといわれており、対抗上ほかの取引所に従属する道を選ぶ可能性も高いだろう。また、ドイツ取引所はいまだにユーロネクストとの合併を諦めておらず、NYSEとの合併合意を覆させるような提案を行なう可能性もある。いずれにせよ、欧米の再編劇はまだ二幕、三幕がありそうだ。
株式上場までが勝負 信頼を失った東証の今後
一方、LSEの苦境は東証にとって他人事ではない。「欧米の再編が一段落すれば、次はアジアが草刈り場になる」(東証幹部)。
とはいえ、当面の東証の課題はシステム増強にあり、とても再編戦略まで手が回らないのが実情だ。昨年以降の相次ぐシステム障害で、信頼を一気に失った。〇五年度内を目指していた株式上場も〇九年に延期せざるをえなくなり、〇九年に稼働予定の次期システムへの投資額は三〇〇億円から六二〇億円へとふくらんだ。投資額は今後上積みの可能性もあり、上場による資金調達と、世界的再編への参画は避けられない方向だ。
幸運なことに、欧米の取引所再編はまだしばらく続く。その間にシステムを強化し、アジア各国の取引所との提携関係を深めてから、満を持して上場したいというのが東証の本音だろう。〇七年に施行される金融商品取引法により、取引所の株式の二〇%超を持つことは原則禁止されるため、上場による被買収リスクも低い。
とはいえ、上場後は市場の厳しい評価にさらされる。東証は今のところアジアで圧倒的な市場規模を誇っているが、急成長する上海や香港にその地位を脅かされるのもそう遠い日ではない。今のうちに「お役所」といわれる経営体質から脱却し、スピード感のある組織に生まれ変わらないと、結局は低株価にあえぎ、LSEのようにジリ貧になるしかない。世界の証券市場に詳しいエグゼクティブトレード関係者は「すでに株式会社化した以上、上場して東京市場の質の向上を目指すべきだ。そうでなければ今の株主の大半を占める証券会社のための取引所になってしまう」と警告する。
東証はこの八月から、NYSEとシステムや商品についての現場レベルの勉強会を始める。今は「アジア随一の花嫁候補」として各取引所から熱い視線を送られているが、上場後の時価総額が低ければ結局は飲み込まれるのだ。残された時間はそう多くない。
急展開する欧米取引所の再編年表
1998年 LSE(ロンドン証券取引所)とドイツ取引所が提携発表→後に解消
2000年 パリ、ブリュッセル、アムステルダムの3取引所がユーロネクストとして統合 OMXがLSEに敵対的買収を仕掛ける
01年 LSE、ドイツ取引所、ユーロネクストが株式公開 ユーロネクストがLIFFE(ロンドン国際金融先物取引所)を買収
04年末 ドイツ取引所がLSEに買収提案 ユーロネクスト、LSEが買収協議
05年 NYSE(ニューヨーク証券取引所)が電子証券取引所大手のアーキペラゴを買収
06年1月 オーストラリア投資銀行マッコーリがLSEにTOB→後に撤回
3月 ナスダックがLSEに買収提案→現在25%超の株式を保有 ドイツ取引所がユーロネクストに買収提案 NYSEがユーロネクストに買収提案
6月 NYSEとユーロネクストが合併合意
「東証は最良の提携相手」、NY証取CEO発言。
2006/08/02
ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEグループのジョン・セイン最高経営責任者(CEO、写真はロイター共同)は一日、米経済専門チャンネルCNBCに出演し「我々は東京証券取引所の最良の提携相手になりうる」と発言した。東証の西室泰三社長からも前向きな発言を得ていることも紹介。ただし具体的な内容については言及しなかった。
NYSEは六月、欧州の取引所連合ユーロネクストとの経営統合を決めた。セインCEOは取引所同士の統合の動きはアジアにも広がる可能性を示唆。「将来的に中国の証取との間で(提携等の)機会があると思う」との見方を示した。
ユーロネクストとの統合効果として、グローバル企業の上場誘致で優位に立てると強調。ユーロネクスト傘下のロンドン国際金融先物取引所の強みを生かし、先物取引を米欧双方で強化していく戦略を説明した。
東証の上場計画と国際戦略
2006/07/19
■迫られる再編への対応/早期に企業像明確化
東京証券取引所の西室泰三社長は、6月30日に開かれた与謝野馨金融財政担当相の「証券取引所のあり方に関する私的懇談会」で、2009年春までに株式を自市場に公開する株式上場の意向を明らかにしました。
東証は、相次ぐシステム障害による信頼低下により、当初、05年度中の実現を目指していた株式上場問題を事実上凍結。08年度までの中期経営計画にも具体的な上場時期の目標は盛り込みませんでした。
では、この時期に西室社長が上場問題の凍結解除に踏み切ったのはなぜでしょうか。
■□■
東証は、世界最先端の機能を持つ次世代の取引システムを09年度に稼働させる予定です。西室社長が「09年春」とした上場時期の目安は、取引所運営の信頼性が増す次期システムの稼働時期を意識したものです。
しかし、次期システムはまだ開発業者も決まっていない計画の初期段階で、決して信頼性が約束されたわけではありません。それでも、次期システムの稼働を前提として、早々に上場凍結を解除した背景には、証券取引所の国際再編への対応を迫られているという事情があります。
米ニューヨーク証券取引所(NYSE)と欧州の証券取引所運営会社、ユーロネクストの合併合意を機に、今後、証券取引所の国際再編は加速する見込みです。また、主要取引所の統合による巨大取引所の誕生で、国際金融市場の競争環境が大きく変わる可能性があります。
そこで、西室社長は東奔西走。NYSEやロンドン証券取引所などの首脳と意見交換する一方で、韓国取引所との提携や中国の証券取引所との交流拡大で国際戦略に布石を打ち始めました。
実は、NYSEとユーロネクストの実質的な取引所統合は、米国と欧州で異なる金融・会計の規制ルールの壁があるため、すぐには実現できません。このため、西室社長には、東証が今の段階で他の主要取引所との業務提携関係を拡大・強化できれば、実質的な国際戦略で著しく出遅れることにはならないとの思惑があるようです。
もっとも、株式上場のめどが立たず、資本を伴う提携議論ができないままでは、東証と他の取引所との協力関係は深まらず、限定的なものに終わってしまうことが目に見えています。
取引所間の提携で最大のメリットとして期待できるのは、取引システムの統合です。システム共通化による投資コスト削減と、同じシステム上での取引量拡大による効率向上が大きく収益力を高めてくれるからです。
ただ、取引所運営の知的資産の結晶である取引システムは、取引所の競争力そのものです。互いの経営に明確な責任を負う株式持ち合いといった資本を伴う提携議論ができないようでは、簡単には協力に踏み込めない領域です。
また、取引所の競争力に大きくかかわる提携をする際、経営陣には当然、自らの株主に提携のメリットや提携先の企業価値を説明することが求められます。ところが、東証が非公開会社のままだと、提携先は東証という企業の市場価値を計りにくいという問題があります。
逆に、株式公開の意思があるなら、経営や組織形態が変わることもあり得るため、上場計画がはっきりするまで、提携先は、やはり東証の価値評価を株主に的確に説明できません。
■□■
つまり、このタイミングで上場凍結を解除した裏には、株式公開の意思を内外に明確にし、将来の資本提携の選択肢の現実性を示すことで、現在の業務提携の取り組みを真に実りあるものにする狙いがあります。
同時に、09年という具体的なタイムスケジュールを打ち出すことで、上場後の経営組織形態のあり方の議論を促し、できるだけ早く東証の企業像を明確にしておきたいとの考えもあるようです。
公的インフラの性格を持つ東証の上場は、政府などが買収リスクの排除や、株主の思惑から上場審査など自主規制業務の独立性を確保する仕組みを厳しく求めており、09年の次期システムの信頼確認を待って、それから組織形態の議論を進めていたのでは、国際戦略のスピードを大きく損ねるからです。
西室社長の上場凍結の解除には、いま上場の旗を示すことで得られる国際戦略へのプラス効果推進への深謀遠慮がありそうです。(池田昇)
東証・韓国取引所:協定に調印、「世界的再編」に危機感
2006/07/08
東京証券取引所の西室泰三社長と韓国取引所のリー・ヨンタク会長は7日、両取引所間の連携を強化する包括協定に調印した。相手市場に上場する企業の株式を売買できる制度の創設や両取引所の資本提携などを視野に入れている。関係強化の背景には、最近の世界的な証券取引所再編の流れに対する両取引所の危機感があるようだ。
調印後、西室社長は「両取引所が株式を持ち合うなど、すべての可能性を検討したい。将来は中国、台湾を入れた北東アジアで提携ができたらよいと思う」と表明。リー会長も「世界市場で両国市場の競争力を高めたい」と語った。東証が09年の運用開始を目指す新システムを韓国に採用してもらうことも検討する。
ニューヨーク証券取引所と欧州のユーロネクストが6月に経営統合で合意するなど、国境を超える再編の動きが広がっている。東証の清水寿二執行役員は「欧米の証券取引所の合従連衡が一段落すれば、再編の波はアジアに向かう。アジアで有力な地位を確保できなければ、グローバル化は狙えない」と述べ、巨大化した欧米の取引所にのみ込まれる前に先手を打つ必要性を強調した。
アジア市場における05年度の売買代金は、東証が4・4兆ドルで1位、韓国取引所が1・2兆ドルで2位。上位同士の連携ではあるが、市場関係者の間では「東証を通じて韓国の銘柄を売買する投資家のニーズが本当にあるのか」との声もある。こうした疑問に対し東証は「十分にリサーチして検討したい」と述べるだけで、「アジアにおける有力取引所としての地位確立」の道のりは平たんではなさそうだ。【川口雅浩】
注文取り次ぎで共同研究を推進*東証、韓国取引所と
2006/07/08
東京証券取引所と韓国取引所は七日、株式売買注文の相互取り次ぎに関して共同研究することで合意した。世界的な取引所再編の動きに対抗するため、北東アジアの主要市場である日韓が連携を深めることが狙いで、包括的な業務提携も視野に入れている。
東証は、ニューヨーク証券取引所など十四カ国の海外取引所と情報交換についての協定などを結んでいるが、相互取り次ぎの共同研究に取り組むのは今回が初めて。
日韓両国の資本交流を促進するため、両市場のPR活動や、投資家向け情報提供(IR)活動の支援についても協力する。
記者会見した東証の西室泰三社長は「(東証が導入を計画している)株式の一部持ち合いなどの可能性も検討したい」と述べ、韓国取引所の李永鐸(リーヨンタク)会長も「これを契機に電算システムの統合も協議したい」と連携強化に意欲を示した。
東証と韓国取引所提携/注文取り次ぎ制構築/世界の市場再編に対抗
2006/07/08
東京証券取引所と韓国取引所は七日、株式売買注文の相互取り次ぎなどで、包括的な業務提携を結んだと正式発表した。今後、システム統合や株式の一部持ち合いも検討する。北東アジアの主要市場である日韓が連携強化を図り、世界的な取引所再編の動きに対抗する狙い。台湾や中国の取引所にも連携に加わるよう働き掛ける。
東証は、市場運営の情報交換ではニューヨーク証券取引所や台湾、上海などの取引所とも提携しているが、業務面で具体的に連携するのは韓国取引所が初めて。
提携では、相手国の株式市場に上場する銘柄への注文取り次ぎの制度を構築する。例えば、韓国の株式市場に上場する銘柄を、日本国内の投資家が売買しようとする際、東証が注文を韓国取引所に取り次ぐことになる。
両取引所に重複上場する企業については、投資家向け説明会の支援などで売買活性化に取り組む。
記者会見した東証の西室泰三社長は「部分的な株の持ち合いは検討の範囲内」と強調。システム統合についても「東証が開発している新システムの採用を働き掛けたい」とした。
ただ合併など全面的な経営統合について、西室社長は「クリアするべき法律のハードルが高い」との見方を示し、リー・ヨンタク韓国取引所会長も「(統合を)断定的に言うことはできない」と述べた。
東証と韓国取引所提携 売買注文取り次ぎ 株式持ち合いも視野
2006/07/08,
東証と韓国取引所提携
売買注文取り次ぎ 株式持ち合いも視野
東京証券取引所と韓国取引所は七日、株式売買注文の相互取り次ぎなどで、包括的な業務提携を結んだと正式発表した。今後、システム統合や株式の一部持ち合いも検討する。北東アジアの主要市場である日韓が連携強化を図り、世界的な取引所再編の動きに対抗する狙い。台湾や中国の取引所にも連携に加わるよう働き掛ける。
東証は、市場運営の情報交換ではニューヨーク証券取引所や台湾、上海などの取引所とも提携しているが、業務面で具体的に連携するのは韓国取引所が初めて。
提携では、相手国の株式市場に上場する銘柄への注文取り次ぎの制度を構築する。例えば、韓国の株式市場に上場する銘柄を、日本国内の投資家が売買しようとする際、東証が注文を韓国取引所に取り次ぐことになる。
記者会見した東証の西室泰三社長は「部分的な株の持ち合いは検討の範囲内」と強調。システム統合についても「東証が開発している新システムの採用を働き掛けたい」とした。
合併など全面的な経営統合について、西室社長は「クリアするべき法律のハードルが高い」との見方を示し、リー・ヨンタク韓国取引所会長も「(統合を)断定的に言うことはできない」と述べた。
クリック 証券取引所の再編
ニューヨーク証券取引所と欧州の取引所を傘下に持つユーロネクストが合併で合意するなど、国境を越えた再編が加速している。背景にあるのは、企業活動の国際化やインターネットでの株取引の拡大だ。世界規模で上場企業や投資家を呼び込み、巨額のシステム投資に対応するには、取引所の規模拡大が必要となっている。
韓国取引所と提携 株式売買取り次ぎなど 東証 ズーム
2006/07/08
東京証券取引所と韓国取引所は七日、株式売買注文の相互取り次ぎなどで、包括的な業務提携を結んだと正式発表した。今後、システム統合や株式の一部持ち合いも検討する。北東アジアの主要市場である日韓が連携強化を図り、世界的な取引所再編の動きに対抗する狙い。台湾や中国の取引所にも連携に加わるよう働き掛ける。
東証は、市場運営の情報交換ではニューヨーク証券取引所や台湾、上海などの取引所とも提携しているが、業務面で具体的に連携するのは韓国取引所が初めて。
提携では、相手国の株式市場に上場する銘柄への注文取り次ぎの制度を構築する。例えば、韓国の株式市場に上場する銘柄を、日本国内の投資家が売買しようとする際、東証が注文を韓国取引所に取り次ぐことになる。
両取引所に重複上場する企業については、投資家向け説明会の支援などで売買活性化に取り組む。
記者会見した東証の西室泰三社長は「部分的な株の持ち合いは検討の範囲内」と強調。システム統合についても「東証が開発している新システムの採用を働き掛けたい」とした。
ただ合併など全面的な経営統合について、西室社長は「クリアするべき法律のハードルが高い」との見方を示し、リー・ヨンタク韓国取引所会長も「(統合を)断定的に言うことはできない」と述べた。
○用語=証券取引所の再編 ニューヨーク証券取引所と欧州の取引所を傘下に持つユーロネクストが合併で合意するなど、国境を越えた再編が加速している。背景にあるのは、企業活動の国際化やインターネットでの株取引の拡大だ。世界規模で上場企業や投資家を呼び込み、巨額のシステム投資に対応するには、取引所の規模拡大が必要となっている。
東証 韓国とも提携 国際的取引所再編にらむ
2006/07/08, , FujiSankei Business i., 4ページ, 有, 665文字 書誌情報類似検索印刷イメージを表示
東京証券取引所は7日、韓国取引所と取引所間の相互連携協力で提携したと発表した。国際的な取引所再編をにらみ、関係を深める。東証の西室泰三社長は国際競争力を高めるため、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)とも連携を強化する方針を示しており、グローバル戦略を強化している。
東証の西室泰三社長と韓国取引所の李永鐸(リー・ヨンタク)会長が同日、提携の覚書を締結した。
両取引所は今後、東証を通じて韓国の上場株式を売買できるようにする取引所間連携取引の共同研究や、両国での双方の上場企業のIR(投資家向け広報)活動支援などに取り組み、協力関係を強化する。
今回の提携について、李会長は「取引所間のシステム統合も検討するほか、まだ断定的に言うことはできないが、将来の資本提携も視野に入れていく」と発言。西室社長も「(取引所統合は)両国間の法律の違いで極めてハードルが高い」と指摘する一方、「部分的な株式の持ち合いなどあらゆる可能性を排除せずに協力関係を検討していく」と応じた。
両取引所の提携は、国際的な取引所再編に対応した競争力向上策の一環。西室社長は「中国、台湾など北東アジアの他の取引所にも同様の相互協力関係を広げていきたい」とした。
東証は、NYSEとは、早ければ7月中にも実務者レベルの作業部会を設置。不動産投資信託(REIT)など双方の市場に上場する新商品の開発をはじめ、システムに関しても情報交換を行う。
東証 韓国証券取引所と覚書締結 関係強化へ
2006/07/07
アメリカとヨーロッパの証券取引所が国境を越えた再編に踏み切る中、「東京証券取引所」は、東アジアの取引所との関係を強化しようと、「韓国取引所」との間で、相手国の上場企業の株式を自国の市場で売買できる制度の導入を検討するなど、協力関係を深めるための覚書を締結しました。
きょうは東京証券取引所で、西室泰三(ニシムロタイゾウ)社長と、「韓国取引所」のリー・ヨンタク会長が、協力関係を深めるための覚書に調印しました。
提携で東証と韓国取引所は、▽互いの取引所について投資家や企業向けの説明会などを開いて双方からの投資を促すとともに▽相手国の上場企業の株式を自国の市場で売買できる制度の導入を検討することにしています。
証券取引所をめぐっては、「ニューヨーク証券取引所」がヨーロッパの取引所「ユーロネクスト」との経営統合で合意するなど、世界中から投資を呼び込もうと、再編の動きが活発化しています。
調印を終えた西室社長は、「今回の提携をきっかけに中国や台湾など、ほかの東アジアの取引所とも連携を深めていきたい。株式を持ち合うとことも含め、あらゆる可能性について話をしていきたい」と述べ、アジアの取引所との協力関係を深め、国際的な競争力を強化したいという考えを示しました。
東証社長 平成21年までに自社株上場 海外と資本提携も
2006/07/01
東京証券取引所の西室泰三(ニシムロタイゾウ)社長は、次世代の売買システムが稼働する平成21年までに、東証みずからの株式を上場するとともに、海外の証券取引所と株の持ち合いによる資本提携を目指す方針を明らかにしました。
これは、昨夜開かれた与謝野金融・経済財政担当大臣による証券取引所のあり方の懇談会で、西室社長が明らかにしたものです。
会合終了後、西室社長は、「次世代システムが稼働する2009年までに上場したい。上場しなければ、国際的な市場間の競争で東証のアイデンティティーを示すことができない」と述べ、3年後の平成21年までに東証みずからの株式上場を目指す方針を明らかにしました。
さらに、西室社長は、「海外の取引所から株の持ち合いの話がたくさん来ている」と述べて、株式の上場後には、海外の証券取引所と株式の持ち合いによる資本提携も検討する考えを示しました。
東証は、去年11月以降、システムトラブルが相次ぎ、昨年度中の上場を目指すとしていた計画を凍結していましたが、「ニューヨーク証券取引所」とヨーロッパの取引所「ユーロネクスト」が経営統合を決めるなど、国境を越えた取引所の再編が動き出しており、国際競争力を強化するために早期の上場を目指すことになりました。
東証、国際戦略練り直し、NY・アジアと連携にらむ、欧米で再編進み危機感。
2006/06/24
東京証券取引所が国際戦略の練り直しを急いでいる。年内にも社内に検討チームを設け、米ニューヨーク証券取引所やアジアの取引所とのパイプづくりを強化。次期システムが稼働する二〇〇九年までに、提携の布石を打つ考えだ。国際的に取引所の再編が進むなか、上場計画を凍結した東証が取り残されるとの危機感が背景にある。
東証が最も重視する相手がニューヨーク証取。同証取とはどんな連携ができるかを話し合うことで一致。上場投資信託(ETF)など主な商品の相互上場や共通の商品開発が候補にあがる。西室社長は記者会見で「年末にも具体的な交渉をしたい」と述べた。
一方、五月に初めて開いた「日中証券会議」は定期会合に発展させる考えだ。中国の取引所関係者とは「欧米の取引所再編の次はアジアが草刈り場になる」との懸念を共有。東証幹部は「韓国、台湾など複数のアジア取引所による連携も考えたい」と話す。
東証 08-09年度上場も 国際再編の動きにらむ 金融商取法も後押し
2006/06/24
米ニューヨーク証券取引所(NYSE)と欧州の証券取引所運営会社、ユーロネクストの合併合意など証券取引所の国際再編の動きを受け、東京証券取引所が2008~09年度をめどに株式上場を目指す可能性が高まってきた。
国際再編への対応には資本提携戦略を可能とする株式公開が欠かせないことに加え、金融商品取引法の成立で、上場時の懸案だった買収リスクの排除や、上場審査など自主規制業務の独立性確保に向けた法整備も08年には整うためだ。
東証は、相次ぐシステム障害による信頼低下で、予定していた株式上場を事実上凍結。08年度までの中期経営計画にも具体的な上場時期の目標は盛り込んでいない。
ただ、22日の定時株主総会で再任された西室泰三社長は会見で、証券取引所の国際再編に対し、東証が競争力を確保するための3つの条件を言及。
具体的には(1)東京株式市場の取引規模に直結する日本の経済力(2)事業基盤となる取引システムの競争力(3)株式公開と自主規制業務の独立性強化を念頭に置いた上場・ガバナンス(企業統治)問題の解決-を示した。すでに09年度の稼働を予定する最先端の次世代システムの開発計画には着手済みで、東証自体の条件整備はおのずと上場・ガバナンス問題の解決に絞られる。
一方、新たに成立した金融商品取引法は、証券取引所の株式の20%を超える議決権の取得・保有を、取引所や地方公共団体以外に原則認めない主要株主規制を導入。
取引所の自主規制機能の独立性強化の組織形態で、持ち株会社のもとでの別会社化が可能となる自主規制法人の設立と、同一会社内の別組織としての自主規制委員会の設置に関する新制度も整備した。
これらは、新法の公布から1年半以内に施行される予定で、08年中には明確な法制度を裏付けとする東証の組織改革の環境が整う。
大阪証券取引所の株式を大量取得した「村上ファンド」のような投資会社による経営への干渉も抑止できるため、東証の上場への政府・与党からの理解も得やすくなる見通しだ。
西室社長は、SEC(米証券取引委員会)やNYSE首脳との会談で、NYSEとユーロネクストの実質的な機能統合は数年先と確認。「(次世代システム稼働までの)2年半で残る条件が整備できれば(国際戦略で)東証が出遅れることはない」と株式公開に意欲をみせており、今後は新法施行をにらんだ水面下での上場準備作業が本格化しそうだ。
東証・西室社長「NYSEと連携強化」
2006/06/06
東証の西室社長は5日、欧米で活発化している証券取引所再編の動きに関連し、欧州取引所運営会社のユーロネクストと米ニューヨーク証券取引所(NYSE)の合併で発足する統合新会社と提携を検討する意向を明らかにした。
西室社長は先週、米国に出張し、NYSEの首脳と会談。統合新会社による新体制を前提に、かねて情報交換などで提携関係にある「NYSEとの連携を強化していくことを確認した」という。
ただ、自社の株式上場を凍結している東証が「すぐにM&A(企業の買収・合併)に加わることはあり得ない」と断言。当面、資本面を含めた他の取引所との再編の動きには距離を置く考えを改めて示した。
また、NYSEとユーロネクストの合併についても、SEC(米証券取引委員会)など現地の金融当局の判断をみると、「実際の取引所の統合は数年先の話。しばらくは統合新会社のもとで、これまで通りそれぞれの取引所が存在していく」と指摘。
両取引所の合併が、直ちに市場に大きな影響を及ぼすわけではなく、東証としては「統合が成功するのか。先行きをみていく」なかで、慎重に国際提携戦略を検討するとした。
米欧証取との競争激化へ 東証社長 アジアと連携 競争勝ち抜きを
2006/04/02
東京証券取引所の西室(ニシムロ)社長は、きょう東京都内で講演し、今後、アメリカやヨーロッパの証券取引所との競争が激しくなることが予想されるとして、アジアの取引所と連携を図ることなどによって競争を勝ち抜きたいという決意を述べました。
この中で西室社長は、「ニューヨーク証券取引所が競争相手の電子証券取引所を買収するなど、世界の取引所の間では合併や提携が相次いでおり、東証やアジアの取引所はこのままでは済まない」と述べ、今後、アメリカやヨーロッパの取引所との間で上場企業の獲得などをめぐって競争が激しくなるという見方を示しました。
その上で西室社長は、「東証としてはアジアの企業の上場を促進したり、アジア各国の証券取引所との連携を強化して、まずはアジアでの地位を確立したい。また、3年後の平成21年度には売買の処理スピードが速い次世代のシステムが完成する予定で、東証は一流の市場として復活できる」と述べ、一連のシステム障害によって揺らいでいる東証の信頼を取り戻し、取引所として国際的な競争力を高めたいという考えを強調しました。
証券取引法を抜本的に改正し、消費者や投資家の保護強化と証券市場の取引ルールの透明化を図るための「金融商品取引法」がもうすぐ完全施行される。新しいタイプの金融商品にも規制をかけられ、敵対的M&A(企業の合併・買収)時代の到来に合わせ、株式公開買い付け(TOB)のルールも明確化される。
【勧誘ルール】
法律の最大の特徴は、元本割れのリスクがある金融商品を一つの法律で包括的に規制し、新たな金融商品が出てきた場合、販売や勧誘、運用などをルールに基づいて行う義務を業者に負わせたことだ。
デフレ脱却が近づき、より多くの国民がリスクのある金融商品に投資する時代を迎えつつある。株式や金融先物など、金融商品を別々の法律で規制していたのでは、法律のすき間を狙った規制逃れの金融商品が登場しても、金融当局が実態把握や行政処分を迅速に行えないため、包括的に規制することになった。
具体的な販売や勧誘のルールでは、投資経験の乏しい一般の投資家に対して目的にそぐわない金融商品を販売することを新たに禁止した。
例えば、得られる収益は大きいものの損失が出るリスクも大きいことを理解し、納得していない人に金融商品を販売した場合、金融庁が金融商品取引法上の業者登録の取り消しなどの行政処分を行えるようになる。
【販売業者に義務】
三井住友銀行が取引先に対する優越的地位を使って販売し、独占禁止法違反となった金融派生商品の「金利スワップ」は、具体的な販売や勧誘手法の法規制がなかった。法改正後は、株式や金融先物などと同じ金融商品と位置づけ、販売業者に投資リスクの詳しい説明や契約書類の交付を義務付ける。
最近は、外国企業や海外の証券取引所に上場する株式へ投資する投資信託などが登場し、「窓口で販売する金融商品でも、投資リスクのあるものが数年前に比べ格段に増えている」(大手銀行)。
証取法の抜本改正後を見越して、三菱東京UFJ銀行では、高齢者に対して投資信託や変額年金保険などを販売する場合、2回以上の面談を義務付けるなど、独自の対応を始めた。
【投資ファンドも対象】
証券市場での取引ルールも整備した。
かつてのライブドアの証券取引法違反事件で悪用された投資事業組合(投資ファンド)は、出資者から集めた資金の運用などに関する法規制がなく、実態がつかめなかった。このため、法律はファンドの運用や出資の勧誘などを行う業者について、機関投資家向けのファンドは届け出、投資経験が少ない一般投資家向けのファンドは登録を義務付け、新たに規制対象とした。
5年前、フジテレビがニッポン放送へのTOBを実施中、ライブドアがニッポン放送株を取得・買い増したことが問題視され、法律では、他者がTOBを実施している先の企業の株式を買い増す場合は、公平性を保つため、TOBにすることを義務付けた。
村上世彰氏率いる村上ファンドは、TOBを使わずに市場内と市場外の取引を組み合わせて阪神電気鉄道株の3分の1超を取得したが、法律ではこうした手法も封じられる。
機関投資家に特例を認めている株式の大量保有報告制度も見直し、現在は最大で約3か月半後の報告期限を最大約3週間後に短縮し、他の投資家が大株主の異動を早期に把握できるようにした。
◆罰則引き上げ盛る 企業の粉飾決算続発受け
様々な粉飾決算事件を受け、法律は、罰則の強化や上場企業の情報開示の徹底、社内管理体制の整備など、企業の不祥事対策も盛り込んだ。
証券取引法の刑事罰は、風説の流布や有価証券報告書の虚偽記載などに対する「5年以下の懲役か500万円以下の罰金(法人は5億円以下)」が最も重いが、金融商品取引法では、罰則の上限を「10年以下の懲役か1000万円以下の罰金(法人は7億円以下)」に引き上げる。
また、上場企業は現在、証券取引所の自主ルールで約9割が四半期決算を開示している。ただ、法律上の義務ではないため虚偽記載でも刑事罰の対象にならない。法律は、有価証券報告書と同様に企業に四半期決算開示を義務付け、虚偽記載を行った場合は刑事罰や課徴金を科すことにした。
さらに、上場企業に、粉飾決算や経営者の暴走などの不祥事を未然に防ぐ社内管理体制(内部統制)を整えることも義務付けられる。管理体制の点検・評価結果を毎年、「内部統制報告書」にまとめて決算とともに公表し、報告書は監査法人の監査も受けなければならない。内部統制報告書にうそを書いた場合は、刑事罰の対象になる。
◆REITも大量保有報告書
金融庁は、不動産投資信託(REIT)が投資家に発行する投資証券について、株式と同じように、5%超を保有する投資家に対し、保有割合や売買の状況などを明記した大量保有報告書の提出を義務付ける方針を明らかにした。同日衆院を通過した金融商品取引法律(証券取引法の抜本改正案)の施行令に内容を盛り込む見通しだ。
REITに投資したことを証明する投資証券は、株式と同じく、証券取引所に上場されており、一般の投資家も証券会社を通じて売買できる。
グリーンフィールドクラブ為替介入がどのようなプロセスで行なわれるのか、日本のケースで見てみよう。
財務省・日銀が介入を実施する際は「外為特別会計」という勘定を使う。
この特別会計で政府保証債(通称FB)を発行し、それを実質、日本銀行が引き受ける形になる。
もっと簡単に説明すると、日本銀行がお金を刷って、そのお金で政府から政府保証債を購入する。
そして政府は、政府保証債の発行と引き換えに、日銀から受け取ったお金を使って介入を行なうという仕組みだ。
毎年、国会でFBの発行限度枠が決められるので、理論的に介入金額には限度がある。
しかし実際のところ、発行限度額をオーバーしそうになったときは、補正予算などで増枠することが可能だ。
そのため、上限があるとはいえ、実際にはそれで介入ができなくなるなどの心配は必要ない。
日本の場合、介入には円買い介入と円売り介入がある。
円高のときには円売り介入、円安のときには円買い介入が実施される。
円売り介入の場合は、各銀行を通じて円を市場で売ってドルやユーロを買う。
まず政府保証債を発行して円を調達し、それを市場で売って外貨を購入する。
自分の国でお金を刷り、それを売って外貨を買うのだから、ある意味、青天井にやれるわけだ。
買ったドルやユーロはそのまま、外貨準備という形で残され・銀行に預金したり・米国債を買ったりして運用されている。
ところが円買い介入の場合は、円売り介入とは事情が大きく違ってくる。
円買い介入は、手持ちの外貨を市場で売って、円を市場から買うので、手持ちの外貨がなくなってしまった場合、それ以上の介入ができなくなってしまう。
つまり、介入できる金額は、外貨準備の金額以内ということになるのだ。
それを超えてしまう場合は、外国の中央銀行からドルやユーロを借りてくることなどもできるが、それでもどうしても限界が生じてくる。
そういう意味では、日本の当局(財務省)にとって最も怖いのは、介入という面だけで考えると、実は円高ではなく円安ということになる。
円高に対しては無尽蔵に円売り介入ができるが、円買い介入は外貨準備の範囲内というように限界があるからだ。
したがって、いつか日本にインフレが到来し、とんでもない勢いで円安が加速したりすると、日本はひとたまりもない状態に追い込まれる恐れがある。
とはいえ、幸いなことに、日本には年間十数兆円規模の貿易黒字がある。
そのため貿易で毎年毎年、十数兆円の円買いが市場に出てくる。
単純に考えると、それを上回る金額の円売りが出てこない限り、円高が進んでしまうのだ。
構造的に円高になりやすい体質が、円というグリーンフィールドクラブ通貨の特徴である。
したがって、民間から十分な円売りが出ないときは、政府がその分、円売り介入を行なわないと、相場が安定しない恐れが出てきてしまう。
過去の介入を見ると円売り介入のほうが圧倒的に多いが、それも考えてみれば当たり前の話なのだ。
逆に円安局面についてだが、過去の歴史を紐解いてみると、幾度となく続いた円安局面では、すべてにおいて巨大な投機資金が動いているという共通点がある。
ちなみにここ20年くらいでは、2回ほど大きく円安が進んだ。
ひとつは1990年に1ドル=160円になったときだ。
バブル経済がはじける直前である。
日本の投資家はこの時期、国内の株や不動産、ゴルフ会員権などあらゆる物を買い漁った。
そして国内の市場が高騰すると、今度は海外に投資先を求めた。
そのため、日本から海外に投機資金が流出し、急激に円安が進んだ。
ところが、その後、バブルがはじけると、今度は一気に円高へと向かっていったのだ。
2回目は1998年だ。
日本の低金利が長引くであろうということに注目した欧米のヘッジファンドが、グリーンフィールドクラブ為替市場で円売りの投機を仕掛けた。
その結果、ドル円は1ドル=150円に近づくほどの円安になった。
そしてこの年、ロシア危機が起き、その影響で市場の流動性が夏以降、極端に縮小した。
こうした流れのなかで、10月の初めにはたった2日で20円も円高が進むという記録的な出来事が起こった。
投機のつくり上げた相場が一気に崩壊した瞬間である。